「蜜ちゃん?大丈夫?」
…そう、まず理玖さんが話しかけるのは私
理玖さんは全て分かっているというように、申し訳なさそうな声で尋ねてくる
「……蜜ちゃん?」
「…だ…いじょうぶです…」
柊雅さんに抱きすくめられているお陰で顔を出すことが出来ない
…でもそれが逆に良かった
きっと、今理玖さんに顔を見せたら驚かれる
自分でも熱く感じる頬はきっと林檎みたいに真っ赤だろうから
「若…は、まだ寝てますね」
呆れたようにそう言った理玖さんは、いつもならグーで殴って柊雅さんを起こすのに
「じゃ、後はよろしくね?蜜ちゃん
僕は朝ご飯でも用意しておくよ」
「えっ…あの…理玖さ……」
呼び止める間もなく寝室を出ていってしまった
……た…助けてくれないの…?
理玖さんが出ていった後、しばらくじーっとしていた私だけど
「柊…雅さん!
起きて…!!……あの!」
このままじゃ一生寝たきりになってしまうという恐ろしい未来を想像し、柊雅さんを起こすことにした
「柊雅さん!
起きて…ください!
もう8…時だ…から!」
早く…この腕を緩めてくれないと、流石に苦しいよ
「柊雅さん!」
「………っ」
