藍色の瞳




×密side×






夢を見た






愛される夢を見た






幸せそうな私は、柊雅さんの腕の中にいて






「どっか行くか?」

そう優しく聞く柊雅さんに






「家でいいよ
柊雅さんと居れれば」

そう笑顔で答える






すると大きな温かい手が私の頭を撫でる






……分かってる






目が覚めたら柊雅さんはいないって






いつも通り広いベッドで1人目が覚めるんだ






そしてやる事も無いまま広い部屋で1人長い時間を過ごすんだ






……目、覚めたく無いなー






ずっとずっと夢の中で笑っていたい






だけど、どんなに強く願ってもいつかは目覚めるもので






段々と目の前の柊雅さんがぼやけていく






「………」






覚醒してくる意識






瞼の重みを感じる






「………?」






そこでいつもと違うことに気づいた






寝相が悪い私は、夜にはちゃんとかけてあった毛布をどこかへやってしまい、いつも朝起きると身体が冷えている






なのに


……今日は温かい






身体には毛布とは別の重みを感じる






そして…

とても近く…


いや、すぐ側から愛しい香りが鼻腔を掠める






「……む」






いつもと違う…
そう感じた私はぱっちりと目を開いた