藍色の瞳





そんな派手な彼女たちも、今の繁華街では目立たない






視界に入る女という女が皆同じ様子だったから






それに女だけじゃない






ホスト、キャッチ・客引き、溜まっている不良






その場にいる人々は皆緊張しているのか、興奮しているのか、よく分からない雰囲気を出していて






何というか……異様だった






繁華街の空気を一変してしまう、うちの不良校に警戒させてしまう






気にならないわけが無かった






『若様が来る』という聞いただけの不確かな、意味の分からない情報しか無かった私は、それが何なのか確かめたかった






「あ!那夏ちゃん⁉︎もしかして那夏ちゃん⁉︎」






今日は本当に良く声をかけられる…と呆れながらも、つい最近聞いた声のような気がしてならない






足を止める事なく首だけ後ろへ向けると






「……あ」






私の足は自動的に止まってしまった






「やっぱり那夏ちゃんじゃん!なに、1人なの?俺に連絡くれても良かったのに〜」






……ウザい






確かに『空いてる日連絡するね』とは言ったけれども、必ずするなんて約束してないし第一今は暇じゃない