藍色の瞳






×理玖side×







俺たちが密ちゃんの側を離れて2週間経った






松永組と皇組の交戦は一段落していた






まだ相手の組員が悪足搔きでこちらを攻撃してくることはあるものの、既に松永組組長は柊雅の手によって葬られた






ま、当然の報いだな






元々皇組の下についていた組なのに、許可なくホストやキャバクラを営業し汚いやり方でお金を稼いでいた松永組

そしてその稼いだお金で風俗などから女性を買い、自分達の欲求を満たす為だけに監禁していた






そんな事を柊雅が許すはずがない






放っておけば皇組にまで同じ様に見られてしまう






だから柊雅は以前から松永組としていた取引等を全て切った






すると向こうが攻撃してきたという事






平和な時間が戻ってくるのも時間の問題だろう






「理玖」






「はい」






「明日、繁華街に行く」






「承知」






もうすぐ…もうすぐだよ密ちゃん






今までいろんな事を我慢させちゃってごめんね






「柊雅」






俺はあえて“若”と呼ばなかった

…柊雅の本当の気持ちを知りたかったから






「…あ?」






黒い革ソファーに深く腰掛け長い足を組む様は男の俺でも見惚れてしまう






「密ちゃんの事

……どうするつもり?」






俺から見ても密ちゃんは柊雅の“特別”だって事は分かる






………“離す”事なんてまずしないだろうな






「…ふぅー」






柊雅の口から白い煙が吐き出される






漆黒の瞳がゆっくりと開かれ、灰皿に煙草が押し付けられた後






「離すわけねぇーだろ」






いつもとは少し違った、意地悪さを含んだ声が聞こえた