午後6時、またきみに会いたくなる。

私は新入生歓迎会のことを話した。
3分くらいで部の紹介をすること。
何かパフォーマンスとかを混ぜてもよし。

「そっか、先輩がいないことすっかり忘れてた」

「そうだよね。他の部活はみんな3年生がいるからやる人あんまりいないもんね」

「どうする?そういうことなら手伝うけど、どこか寄ってく?」

「えっ、手伝ってくれるの?」

ちょっと驚いた。
内心このままさよならと言われても仕方ないと思ってたからだ。

「部長押し付けたのおれだし、一応おれだって美術部部員だし。―それに、困ってるんでしょ?部長さん?」

いたずらにわざとらしく部長、と呼ぶ声。
それでもすごく嬉しい。
一人で人前に出るなんて耐えられないと思ってたから。
相田くん、やっぱりイイ人なのかも―。

「次の駅、カフェあるけどそこでいい?」

「う、うん。ありがとう相田くん」

男の子と2人でカフェなんて、初めてだ。
緊張するけど、わざわざ手伝ってくれるんだから、さっさと終わらせなきゃ。