午後6時、またきみに会いたくなる。

相田くんは部活に協力的だったり、そうでなかったり、ふらふらしてるイメージ。
だけど、見た目からは想像もつかないような繊細な絵を描く。
それは本当に惚れ惚れするくらい―

左前方に座る相田くん。
日に透けて茶色く光るくせっ毛。
カクンッてした、うたた寝してるのかな。

ちゃんと話したことはないけど、どんな人なんだろう相田くんって。

今年は同じクラスになったんだし、たくさん話せるといいな。


「じゃあ次、美咲さん―」

えっ、いつの間にか私の番まで回ってきてたんだ。

「はっはい。美咲香帆です。前も3組でした。えーっと、部活は美術部に入ってます。よろしくお願いしますっ」

慌てて早口になってしまった。
はあ、このあがり症なんとかならないかな。

パラパラとした拍手。

「あ、そういえばさっき言い忘れたんだけど、先生美術部の顧問とバスケ部の副顧問することになったから。よろしくなー」

え、美術部の顧問になるの?
きょーくん、絵、すっごく下手じゃなかったっけ。

私と一緒にお絵かきしてて、私とそう変わらないうまさの絵を書いたきょーくん、みんなに笑われてた。
思い出して少し笑ってしまう。

きょーくんが顧問なら、きっと楽しいだろうな。