よくできました、という顔をする。
それは、学校ではその名前で呼ぶな、ということを意味している。
話したいことがたくさんあるのに。
伝えたいこともたくさんあるのに。
今は、先生と生徒―。
「なんでもないっ、です―」
そう言ってもどかしい気持ちを振り払うように踵を返す。
「またあとでね、かほ」
小さな声だったけど、確かに聞こえた。
懐かしい声で、私を呼ぶ声。
たまらなくなって振り返ると、そこには懐かしい笑顔があった。
「みさー?そろそろ体育館行かないとー」
藍里の声ではっとして前を向き直る。
またあとで?
それってどういうことだろう―。
長い校長先生の話が終わって、新任の先生たちの紹介になった。
遠目からでもすぐわかる―
「担任の先生、結構イケメンだよね」
隣で藍里が言う。
藍里には、伝えといてもいいかな。
「あのね、実は古瀬先生ね―」
―――――――――――――――
「えっ、そうだったんだ。だからさっき話してたんだねぇ」
「さっきはあんまり話できなかったけどね」
先生たちの自己紹介が終わって、始業式は幕を閉じた。
それは、学校ではその名前で呼ぶな、ということを意味している。
話したいことがたくさんあるのに。
伝えたいこともたくさんあるのに。
今は、先生と生徒―。
「なんでもないっ、です―」
そう言ってもどかしい気持ちを振り払うように踵を返す。
「またあとでね、かほ」
小さな声だったけど、確かに聞こえた。
懐かしい声で、私を呼ぶ声。
たまらなくなって振り返ると、そこには懐かしい笑顔があった。
「みさー?そろそろ体育館行かないとー」
藍里の声ではっとして前を向き直る。
またあとで?
それってどういうことだろう―。
長い校長先生の話が終わって、新任の先生たちの紹介になった。
遠目からでもすぐわかる―
「担任の先生、結構イケメンだよね」
隣で藍里が言う。
藍里には、伝えといてもいいかな。
「あのね、実は古瀬先生ね―」
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「えっ、そうだったんだ。だからさっき話してたんだねぇ」
「さっきはあんまり話できなかったけどね」
先生たちの自己紹介が終わって、始業式は幕を閉じた。
