午後6時、またきみに会いたくなる。

「みーさ!おはよ!」

「きゃっ、あいり?!」

私の肩を掴みながら後ろでいたずらな表情を見しているのは親友の水原藍里。

「え、また同じクラスなの?」

「そう!あたしたちまた1年間一緒だよ!」

「うそ、すっごく嬉しい!知ってる人誰もいなかったらどうしようってずっと電車で思ってたよ」

本当に心から安堵していた。
藍里とは去年、入学したてのとき席が前後だった関係で知り合った。
それ以来ずっと仲良しで、いつもポジティブな彼女はひっそりと私の憧れでもある。

「そうだ、移動しなきゃねそろそろ」

「あっ、うん。あ、ちょっと待ってて」

もうほとんどの生徒が教室を後にした中、教壇では未だにきょーくんが何か冊子を広げていた。

「きょーく…」

そっと口元にもっていかれる人差し指。
内緒、というポーズだ。

「古瀬せんせい…」

「ん、何か用?」