午後6時、またきみに会いたくなる。

「今日はありがとね」

「いーよ、じゃあ明日は準備もあるし7時半でいい?」

「うん、寝坊しないでね?」

「うーん自信ないけど、部長のためにがんばる」

「ありがと、じゃあね」

相田くんはわたしの最寄り駅の二つ先にで降りるらしく、駅のホームでさよならをした。

4時半か―。
そうだ、スーパーに寄っていこう。

今日のお礼に、相田くんにブラウニーでも作ってあげたら喜ぶかな。
それだったら、きょーくんにもあげよう。

春の夕方の心地いい風が、頬をなでる。
どこか浮ついた心のまま、私はまだ見ぬ明日を思ってまたわくわくする。

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「ただいまー」

「香帆ー?遅かったじゃない。今恭くん来てるわよ~」

「えっ?!」

予想とはずいぶん違ったお母さんの返答に私は心底びっくりした。
てっきり何してたのとか聞かれるかと思ったのに、予想の斜め上どころじゃない、180度反対側だ。