午後6時、またきみに会いたくなる。

「それで、考えなきゃいけないことってなにがある?」

「えっとね、とりあえず原稿、かな。あとは何か過去の作品を出せればなって」

「うん」

「なにか、運動部みたいにパフォーマンスできたらいいんだけど、美術部じゃ無理だよね」

「そんなことも、ないんじゃない?」

「え?」

ハニーミルクラテを1口飲んでおもむろにリュックの中を探る相田くん。
クロッキー帳だ。

「絵を見せるっていっても体育館だと後ろの方からは見えないと思うんだよね。だったらいっそライブペイント、アリだと思わない?」

「それって…5分以内にできるの?」

「聞いて。まず、こういう台紙を用意して、舞台にスタンバイさせるんだ。そんで、部長が原稿を読んでる間におれが進めるから――」

クロッキー帳に走る鉛筆。
説明する言葉たち。
目も耳も話せなかった。

「―こんな感じ、かな。どう?あくまでも1つの案だけど」

「すごい!すごいよ、相田くんっ!こんなこと考えつくなんて、相田くんに協力してもらってよかったよ!」

全部本音だった。
本当に感動したし、これなら見てくれる人たちも絶対に楽しんでくれると思ったから。