詩恩side. 朔来は、ただ静かに涙を流し、 話し続けた。 何故か俺はその元彼の恭弥という奴に 怒りを覚え、右手を強く握りしめた。 俺は、なんて声をかければ正解なんだろう。 どうすれば、泣き止んでくれるだろう。 俺は女に泣かせる趣味はない。 だが、出任せの言葉は掛けたくない。 「朔来……、泣いていいよ。 俺は、何もしないから。 ただ、朔来のそばにいるだけだから。」 朔来はその言葉を聞いて安堵したのか、 俺の胸の中でわんわんと泣き続け、 泣き疲れたのか、数十分後に眠りについた。