「はぁ……今日も嫌な目覚め。」

また嫌な夢を見た。
ここのところずっとそう。
今日も学校に行くのが憂鬱だ。
今日から中3かぁ……。
早く高校生になりたいな……。
女子高行きたい。切実に。

暗いことを考えながら制服に着替え、
身なりを整えてリビングへ向かう。

「おはよう、お母さん」

台所で朝から口笛を吹いて
上機嫌なお母さんに挨拶をする。

「おはよう緋芽菜。朝ごはんできてるよ。」

「うん、いただきます。」

「あら、那生は?」

那生、とは私の弟だ。
昨日入学式を迎えたばかりの中学1年生。

「さぁ、寝てるんじゃない?
いびき聞こえてきてたもん。」

「も〜。入学早々遅刻するつもりかしらっ」

お母さんが呆れた顔をして那生の部屋に向かう。

「那生も中学生かぁ〜。」

なんか考えられないなぁ……。
部活何はいるんだろ。
どうせサッカーとかラグビーとかだろうな。
そんなことを考えているとあっという間に
家を出る時間になっていた。

「お母さん、行ってきます。」

「見送りできなくてごめんね、
那生が起きなくて起きなくて。」

「全然大丈夫だよ!行ってくるね」

「いってらっしゃい!」

ちなみにお父さんは単身赴任でNYにいる。
実質3人ぐらしなんだよね。

学校が近付くにつれて、
私のテンションは自ずと下がる。