俺たちは隣のクラスを覗きに行った。


「どれ?」


「あの黒髪ロングの子」


そう言って斗真が指差したのはとても綺麗で凛として賢そうで大人っぽい、そんな感じの子だった。


「お前あんな感じが好きなんだ」


「別にそう言うわけじゃないんだけどこないだのクラス長会議でさ…」


斗真はこう見えてもうちのクラス長。
周りを盛り上げ、みんなから好かれている。


こないだのクラス長会議で夏休みに向けての話し合いがあった。各クラスがプレゼンする中、もちろん斗真は真面目な場でもウケを狙う。


周りはお堅いメンバー、当然滑った。そんな斗真を見て1人だけクスクス笑う女子がいた。


それが2Aの副クラス長の中島 雪(ナカジマ ユキ)だった。


クールな見た目とは裏腹に彼女の笑顔は可愛らしかった。


それから斗真は気になり出したらしい。


とはいえ彼女はいつも貼り出されるテスト成績に名前が載るほどの秀才。


だから斗真も名前が載れば気づいてもらえると思ったんだとか