いつもは平日の夕方でもお客さん多い時もあって忙しいのに、暇だった。

暇なのに勤務終わりの22時にあっという間になった。

今思い出すと本当に礼儀がない新人さんだ。
同じ22時上がりでタイムカードを押し、ユニフォームから普段着になると山田くんと新人さんは二人で私にお疲れ様でしたの一言もなく帰って行った。

二人がバックヤードに帰った様子は見てないけれど、何か業務をしていて少し遅れてタイムカードを押して、私も帰ろうと思い、バイト先のコンビニを出た時に、私と同じ方角を歩く二人がだいぶ先に見えたのだった。

この時もどうして新人さんを見ていたのか。
4年経っても、その夜の黒い夜空とそこまで寒くない空気を覚えている。

そう、季節は夏が終わった頃。
秋とも言い切れないほんの短い期間の空気感だった。