早歩きで佐野に追い付く




「...ぁ」




こっそりセンパイを盗み見て帰るつもりが
バッチリ合ってしまった目





「ど、どうも。こ、コンバンハ。ハハ」




「あ、こんばんは...?」




何故か挨拶してくる見知らぬ不審な後輩に
不思議そうに挨拶を返してくれるセンパイ




やべえ、やらかした。なにやってんだ私。




そそくさと目の前を通りすぎる





「ばか、なにあんたも挨拶してんの」




「だだ、だってえ...」




佐野に呆れられながら、さっき一瞬でも喋れた奇跡を思い出してにやついていた