私と彼をつなぐもの。

「………これからも、土産買ってくるし、これもやるからさ。
だから一生俺に飯、作れよ。俺はもう七瀬の作った飯でしか生きれないから。
お前とじゃなきゃ、毎日楽しくないから。」


「黒宮さん……」


「だからその。結婚を前提に?付き合ってくれっていってんの!ハッキリ約束しとかないとまた逃げ出すだろ。」


いつもズキン。と痛んでいた胸が今は、暖かいものに触れたようにキュゥッと締め付けられる。

嬉しいはずなのに涙が止まらない。
涙が止まらないのに、自然と笑みもこぼれてくる。



「で?どうなんだよ。」


急かすように私の頬を軽くつねる黒宮さん。
緊張しているのか少しだけ指先が震えている。


「………両手がいっぱいで、受け取れません。」


「あぁそうかよっ!どうせ、すぐここにはめるんだろ!?なら俺がはめてやる。」


ケースからキラッと光ったダイアモンドの指輪を黒宮さんは左手の薬指にはめようとする。


一瞬、本当にいいのか確認するように私の顔を見る。


「お願いします。」


そして薬指にはめられた愛の証。


唇に触れる黒宮さんの唇。