打ち合わせが終わったのか黒宮さんはトレーを持って立ち上がった。返却口まで持ってこようとしていたが、桜井さんにトレーを渡して、さっさっと食堂を出ていってしまった。
トレーを返却しに来たのは桜井さん。
ことん。と、トレーを置くと私の目の前に立つ。
「………この前、あなたに言ったわよね。」
「な、何をですか?」
「近づくなって。それでも黒宮さんに近づくってさ、どういうこと?」
側で聞いていた恵梨香が桜井さんにくってかかる。
「あなたにそんな事言う権利ないじゃないですか!」
「あるわよ。」
桜井さんは腕をくんで、私の事をバカにしたように笑った。
「あなた、彼の事好きなんでしょ?なのにあの時はっきり好きって言わなかったじゃない。否定した。私だったらあの時にちゃんと気持ちを伝えるわ。彼への気持ちをごまかしたりなんかしない。」
動揺する私を軽蔑するように冷たく睨む。
「自分の気持ちもハッキリと言えない、言わずに逃げる。そんな軽い気持ちなら真剣に彼の事を好きでいる私の邪魔をしないでよ。」
それだけ言うと桜井さんは食堂を後にした。
「………なんなの。あれっ!七瀬、あんなの気にしなくていいからねっ!」
恵梨香はそう言って怒った。私も桜井さんの言うことはメチャクチャだと思う。
でも、その通りだとも思う。
要するに、彼の事を他人や、本人に『好き』っていう覚悟や自信がないくせに、彼の周りをうろついて。きっと『卑怯だ。』って言いたいのかな?
その通りだ。
私は『弱虫』で、『卑怯』だ。
トレーを返却しに来たのは桜井さん。
ことん。と、トレーを置くと私の目の前に立つ。
「………この前、あなたに言ったわよね。」
「な、何をですか?」
「近づくなって。それでも黒宮さんに近づくってさ、どういうこと?」
側で聞いていた恵梨香が桜井さんにくってかかる。
「あなたにそんな事言う権利ないじゃないですか!」
「あるわよ。」
桜井さんは腕をくんで、私の事をバカにしたように笑った。
「あなた、彼の事好きなんでしょ?なのにあの時はっきり好きって言わなかったじゃない。否定した。私だったらあの時にちゃんと気持ちを伝えるわ。彼への気持ちをごまかしたりなんかしない。」
動揺する私を軽蔑するように冷たく睨む。
「自分の気持ちもハッキリと言えない、言わずに逃げる。そんな軽い気持ちなら真剣に彼の事を好きでいる私の邪魔をしないでよ。」
それだけ言うと桜井さんは食堂を後にした。
「………なんなの。あれっ!七瀬、あんなの気にしなくていいからねっ!」
恵梨香はそう言って怒った。私も桜井さんの言うことはメチャクチャだと思う。
でも、その通りだとも思う。
要するに、彼の事を他人や、本人に『好き』っていう覚悟や自信がないくせに、彼の周りをうろついて。きっと『卑怯だ。』って言いたいのかな?
その通りだ。
私は『弱虫』で、『卑怯』だ。

