私と彼をつなぐもの。

***


「よっし!これで最後の袋だなっ!」

「あっはい!私帰るんでそれ持ってきますよ。」


夜から始めた掃除も、外が明るくなり始めた頃にやっと終わった。

来たときには少ししか見えなかったフローリングも今ではピカピカに輝いている。


「すっげー!部屋が綺麗になったわ。」


ボロボロの黒宮さん。いつもは、ピシッとモデルのような彼もさすがに徹夜で掃除の後は疲れからボロボロ。
でもそんな彼の素が見れて少しだけ嬉しいかも。


「言っときますけど、今日のは掃除!これからは整理整頓をするんですよっ!黒宮さんは整理整頓が出来ないから部屋が汚れるんですっ!」


そう言う私もボロボロ。


「使ったら、元に戻す。戻せるように整理整頓するんです。」


「………めんどくさい。七瀬やって。」


物の置き場になっていたソファーも今ではちゃんと座れる。
ソファーにドサッと横になるとすぐ黒宮さんは寝息をたてて寝てしまった。



黒宮さんの寝顔はなんていうか本当に綺麗。長いまつげと、綺麗な肌、形のいい唇に嫉妬しそう。しばらく見ていたいけど、私ももう、限界に眠い。


よろよろと立ち上がると最後に残されたゴミ袋を持ち部屋をでる。
朝日が眩しくて思わず目を細める。
達成感とすがすがしい気持ちで、私は朝の空気を思いっきり吸い込む。


そして、



「はぁ。やっぱり、好き。…………なんだなぁ。」



朝日に向かってグンッと背伸びした。