「えー!?本当ですかっ!?」

「おうっ!これならピーマンなんて楽勝だぜっ!何個でも食えるっ!」

二個目のピーマンの肉詰めを飲み込んだ黒宮さんは得意気に笑う。


「ねぇねぇ、黒宮さん。実はそれ、しいたけも入ってますよ。」


中のひき肉に椎茸のみじん切りも混ぜておいたのだ。


「う、嘘だろ?椎茸なんて全然わかんねぇ。」


よほど感動したのか黒宮さんは私の手をとり両手でぎゅっと握った。


「七瀬。お前すげぇよ!」


そう言ってまた、あの破壊力抜群の少年みたいな無邪気な笑顔をするから私は気持ちを押さえるのに精一杯だ。


家政婦でもなんでもいいや。
この人がこんな顔で笑ってくれるなら、私はこの人のために料理を作ってあげたい。


心からそう思った。