その瞬間。
黒宮さんが、運転中にも関わらず私の方をバッと見る。
「ちょ、ちょっと!危ないですって!ちゃんと前見てくだ………」
「食わせろっ!」
「は、はぁ?」
「だから、俺に!オムライスをよこせって言ってんだよ!」
そう言いながらマンションの駐車場に到着し、黒宮さんは器用に1回で駐車する。
さすが、パイロット。
じゃなくてっ!
「なんで黒宮さんに作んなきゃいけないんですか。嫌ですよ。」
私は助手席のドアを開けようと、手をかける。
しかしドアとは反対の方の手をぐいっと引かれ、後ろに倒れそうになる。
見上げた先には、黒宮さんの綺麗なアップ。
「オムライス食わせろっ!千円やるっ!」
「いや、いらないし。っていうか離して下さいよ。」
「…………作ってくれるまで離さない。」
って、なんなんだこの男は!!
たかが、オムライスごときにやけに必死だ。
「………好きなんですか?オムライス。」
私は黒宮さんにもたれながら真剣な黒宮さんの顔をまじまじと見る。
うん、騒がれる程のことはある。整った顔だちだな。そうぼんやりと思っていた私はまたしても不意をつかれてしまう。
「超。好き。」
潤んだ瞳の黒宮さんにそう言われると、ドキっとして、顔が赤くなってくるのがわかる。
わかってる。わかってる。
私が。じゃない。
オムライスが。超、好き。なんだ。
でもこんなに近くでこんな、イケメンに言われたら、いくら最近恋愛がご無沙汰の私だってドキドキしてしまうじゃないか!
「わ、わかったから!オムライス作るからっ!離して下さいっ!」
私はドキドキしてしまったのをばれないように目をギュッとつぶりながら大きな声で言う。
「よしっ。」
そう言って満足そうな顔をすると、私の手を離した。
さっさっと運転席から降りると、もたもたと助手席から降りる私の方を振り返り一言。
「早くしろよっ!俺は腹減ったんだよ!」
さっきまでのドキドキはすっと引き、かわりに先を歩く黒宮さんの背中に蹴りを入れたくなる。
この、ごみ男改め、オムライス男がっ!!
黒宮さんが、運転中にも関わらず私の方をバッと見る。
「ちょ、ちょっと!危ないですって!ちゃんと前見てくだ………」
「食わせろっ!」
「は、はぁ?」
「だから、俺に!オムライスをよこせって言ってんだよ!」
そう言いながらマンションの駐車場に到着し、黒宮さんは器用に1回で駐車する。
さすが、パイロット。
じゃなくてっ!
「なんで黒宮さんに作んなきゃいけないんですか。嫌ですよ。」
私は助手席のドアを開けようと、手をかける。
しかしドアとは反対の方の手をぐいっと引かれ、後ろに倒れそうになる。
見上げた先には、黒宮さんの綺麗なアップ。
「オムライス食わせろっ!千円やるっ!」
「いや、いらないし。っていうか離して下さいよ。」
「…………作ってくれるまで離さない。」
って、なんなんだこの男は!!
たかが、オムライスごときにやけに必死だ。
「………好きなんですか?オムライス。」
私は黒宮さんにもたれながら真剣な黒宮さんの顔をまじまじと見る。
うん、騒がれる程のことはある。整った顔だちだな。そうぼんやりと思っていた私はまたしても不意をつかれてしまう。
「超。好き。」
潤んだ瞳の黒宮さんにそう言われると、ドキっとして、顔が赤くなってくるのがわかる。
わかってる。わかってる。
私が。じゃない。
オムライスが。超、好き。なんだ。
でもこんなに近くでこんな、イケメンに言われたら、いくら最近恋愛がご無沙汰の私だってドキドキしてしまうじゃないか!
「わ、わかったから!オムライス作るからっ!離して下さいっ!」
私はドキドキしてしまったのをばれないように目をギュッとつぶりながら大きな声で言う。
「よしっ。」
そう言って満足そうな顔をすると、私の手を離した。
さっさっと運転席から降りると、もたもたと助手席から降りる私の方を振り返り一言。
「早くしろよっ!俺は腹減ったんだよ!」
さっきまでのドキドキはすっと引き、かわりに先を歩く黒宮さんの背中に蹴りを入れたくなる。
この、ごみ男改め、オムライス男がっ!!

