私と彼をつなぐもの。

「……ばあさん。ちょうどいいし、こいつに荷造り手伝ってもらえよ。そうしたら俺が病院まで送ってやるから。」


黒宮さんはそう言うと私の方を見る。


「もちろんっ！手伝います！おばあちゃん、荷物つめよ。」


おばあちゃんの手をとり、部屋へと誘導すると、おじいちゃんのパジャマや、洗面道具、下着など、いるかなって思ったものは片っ端から詰めていく。


そして、20分後くらいたったときに車を取りに行っていた黒宮さんが帰って来た。


「出れる？」


そう玄関のドアから首だけを出して黒宮さんが覗きこんだ。


「はいっ！行けますっ！」


私は荷物を肩にかつぐと、おばあちゃんの手を引きながら黒宮さんの車を目指す。


店のすぐ前に停まっていたのは、黒宮さんの車。誰もが知ってるドイツの高級車だ。
真っ黒の四角い車体に、車高が高めのよく芸能人が乗っているのをテレビで見た事のある高級車だ。