春色プロポーズ


「ごちそうさま。はるの作る茶碗蒸しは、いつ食べても旨いな」

悠くんは大盛りのちらし寿司と茶碗蒸しをペロッと平らげると、少し大きくなったお腹をポンポンと叩いてみせる。

「悠くん、それおじさん臭いんだけど」

「そうかぁ、父さんの癖が移ったんだな」

あ、そうか。悠くんの両親にはもう何度も会ってるけど、確かにお父さん、お腹叩いてたかも。

そのことを思い出すと、ふふっと笑いが込み上がる。

「はる、風呂は?」

「うん、ここの片付け終わったら入るよ。なんで?」

「ん、いや。今日は俺が片付けしてやるから、はるは早く風呂入ってこいよ」

え? なんで? どういう風の吹き回し?

悠くんが家事を手伝ってくれるなんて、今までにやってくれたのは洗濯物を取り入れてくれるくらい。掃除や料理、洗濯も苦手な悠くんだから、そのことは期待もしてないしお願いすることもなかった。

でもなんで今日に限って、自分から片付けをかって出たのか。何かやましいことでもあるんじゃないのと、ジロリと疑いの目を向ける。

「な、なんだよ、その目は。俺が片付けするのが、そんなに悪いのか?」

「悪いとは思ってない。でも、おかしいとは思ってる。何か私に隠してるでしょ?」

「は、はぁ? な、何も隠し事なんてないよ。は、はるこそ俺を疑って、おかしいんじゃないの?」

悠くん、その必死さが怪しいです。

動揺丸見え、口は噛み噛み。私と目は合わせないし、挙動不審極まりない。