春色プロポーズ


「その顔やめとけ。百年の恋も冷める」

「キィーーーー」

冗談だってわかってるのにムキになるのはいつものことと、悠くんは笑って相手にしてくれない。

「夕飯、あげないんだから」

「はいはい」

悠くんはかったるそうにひらひらと手を振ると、着替えのために寝室へと消えていった。

最近の家での私たちは、いつもこんな感じ。私は悠くんのことが大好きでできラバ四六時中でも一緒にいたいと思うけれど、悠くんはそうでもないみたいで。三年も一緒にいると、男の人って素っ気なくなるものなんだろうか。

「そういえば、最近エッチもしてない」

不満気につぶやくと、小さく溜息をつく。

エッチの回数だけが、愛情のバロメーターだとは思ってない。だけど悠くんに求められれば嬉しいし、私が悠くんを求めて受け入れてもらえれば幸せを感じられる。一緒のベッドで寝ているのにギュッと抱きしめ合うこともないなんて、そんなの寂しすぎるじゃない。

「ひとりでブツブツ言って、どうした? 早く飯食おうよ」

「ひゃっ!!」

突然悠くんの顔が目の前にズンッと現れて、驚きすぎて心臓バクバク。エッチしてないってつぶやいたの、聞かれてなかったかな……。

「す、すぐ用意するから、お皿と箸出しておいて」

動揺してるのを気づかれないように悠くんから離れると、まだ収まりそうもない心臓をグッと押さえた。