「悠くん、先にお風呂入っちゃってね」
「おう、わかった」
寝室で服を脱いでいる悠くんに声をかけると、エプロンを付けて夕飯の準備にとりかかる。
実はもう昨日、ちらし寿司の具材と茶碗蒸しのたまご液は作っておいた。ご飯も朝、タイマーを掛けておいたから、炊きあがっている。
ちらし寿司は錦糸卵を作ったら、具材とご飯を混ぜて。買ってきたお刺身の盛り合わせを彩りよく飾る。茶碗蒸しはたまご液を器に注ぎ、鶏肉、銀杏、蒲鉾、三つ葉を添えて、蒸し器で十五分弱蒸せば出来上がり。
我ながら素早い出来に満足していると、悠くんが腰にバスタオルという出で立ちでキッチンにやって来た。
「なに、作るの早くない?」
「でしょ。まだ茶碗蒸しは蒸しあがってないけど、もうすぐ食べれるよ。どう、惚れなおした?」
悠くんのことが大好きな私は、つい甘い言葉を期待してしまう。
「さあな」
「ぶーぅ」
さあなって何よ! そこは私に近づき顎を持ち上げ『はる、そんなこと言わなくても俺の気持ちなんてわかってるだろ』とかいうところじゃない?
面白く無い私は、口を尖らせ不満顔。



