「だって悠くん、一ヶ月近く私に触れてこないんだもん」
「ああ、それはさ。風邪引いてたから、うつすと悪いなぁって思って」
「そうだったんだ……」
そんなこと全然知らなかった。なのに私ったら……。
自分の発言が恥ずかしくて手で顔を隠そうと思っても、悠くんに手を押さえられていてできなくて。しょうがないから目を瞑ると、悠くんに笑われる。
「そんな顔して、今更でしょ。俺ははるの全部が好きなの。笑った顔も怒った顔も、泣いた顔も寂しそうな顔も。俺のために見せるはるの顔は全部好き。誰にも見せたくないくらい」
「バカ……」
「今晩は、はるの一番いい顔を俺に見せて」
悠くんはそう言うと、パジャマのボタンをひとつひとつはずしていく。
「俺も我慢してたからね。はるのこと、朝までかわいがってあげる」
悠くんの甘くて淫らな言葉が、私の身体を熱くする。
頬に、唇に、首筋に、胸元に……。悠くんは熱くて少し痛みを伴うキスを、私の身体全身に、ひとつひとつ丁寧に落としていく。そして私の身体には、数えきれないほどのピンクの花が咲き乱れた。
桃の節句に、心の中までほんわり温かくしてくれる、最高のプロポーズ。
春の始まりとともに、私たちの新しい生活が始まろうとしていた。
春色プロポーズ──



