かんかん照りの太陽の下で

朝食を食べ終わり、歯を磨いて再びリビングへ戻ると

「歌織ー?そろそろ行かないと約束の時間過ぎるわよ。」

と玲子に告げられ、歌織は壁にかかっている時計を見る。

6時55分を告げるそれは歌織の意識を現実へと引き戻す。
「げっ!もうこんな時間?じゃあ行って...」

きますと言おうとした彼女を見つけるや否や

「歌織ー!おいて行こうとするなんて酷いじゃないか!」

と言いながら抱きしめる男。

「お兄ちゃん。」

「なんだ。もう一度してほしいのか?」

「邪魔。目障り」

歌織が容赦ない暴言を兄である隼に吐く。

黙っていればかっこいいのに。と歌織はため息をつくと、

「行ってきます」

という言葉とともに

ガチャンと扉を閉めた。