「あと…助けてくれて、ありがとう……おやすみなさい」

私はそれだけ呟いて、リビングを後にした。

階段を駆け登り、後ろ手にドアを閉める。

ズルズル……と、その場にへたり込んだ。

脚がプルプルと震え、立っていられない。

信じられない。

事故とはいえ、智史とキスをしてしまった。