本当は、「っしゃーーっ!!」と、雄叫びを上げまくりたかった。

でも、時刻は夜の10時。

そんな事をしようもんなら、明日からご近所さんや野乃に白い目で見られる事間違いなし。

だからそれは思い留まり、リビングの中をピョンピョンと飛び跳ねた。

野乃には申し訳ないんだが、『不運な事故』と、俺は思っていない。

「なんて『幸運な事故』なんだっ……!」

くっ……と、目元を押さえる。

溢れ出る涙を、止める事が出来なかった。

いや!

ここは止めずに流しておこうじゃないか!

だって、記念すべき『初チュー』だったんだからっ!