「そんなに……」

「え?」

「そんなに、俺と一緒にいるのが嫌なのか……?」

思いがけない言葉に、顔を上げる。

智史は、泣きそうな顔をしていた。

「そ…そうじゃ、ないけど……」

湯呑みを、ぎゅうっと握る。

さっきから私は、口を開けばこんな事ばっかり言ってる。

違う。

そんな顔をさせたいワケじゃないのに……。