「でも、吉野さんに言われたからとかじゃなくて、俺が野乃と一緒にいたいんだよ。それじゃダメか?」

駄々っ子をあやす様な、優しい声。

「……ダメじゃない」

ダメなワケないじゃない。

本当は、もっと一緒にいたいんだから。

「よしっ!じゃ、夕飯作ろうぜ!俺、腹減って死にそう!」

智史がお腹を押さえながら冷蔵庫を物色する。

「おっ!肉食おうぜ!肉っ!」

丁度2枚残っていたステーキ用のお肉を取り出し、うししっと笑っている。

私はそれを受け取り、

「おっし!野々ちゃんが美味しく作ったる!」

腕捲りをした。