「野乃!おっはよっ!」

その声と同時に、背中に強い衝撃。

「いっ…たいなぁ~……毎朝毎朝!」

「ははっ、ごめんごめん!」

絢香の、朝の恒例行事。

何べん言っても直らないから、これは多分直らないんだと思う。

今度、鉄板でも背中に入れておいてやろうか。

「あれ?隣を行くのは、幼馴染みの智史くん。今日は一緒に登校かね?」

「……相変わらず、朝からうっせーな」

智史がムスッとして絢香を睨む。

「まーね!朝から辛気臭い顔するよりマシでしょ!」

正論。

智史が何も言い返さずに、顔を逸らした。