大手町さんが私に近付き、やっぱり困り顔でこう言った。

「野々さん。これは社長が野々さんのお気持ちを確かめる為に計画した、お芝居なんです」

「私の気持ちを確かめる……?計画?お芝居……?は?え?何?」

一体、どう言う事??

「社長。いつまでも笑っていないで、ちゃんと説明して差し上げたらどうです?」

大手町さんが、鋭い目付きでお母さんを見る。

「わ、分かってるわよ……」

睨まれて、コホン……と咳払いをして、これまでの経緯をはなしてくれた。