最寄りバス停から高校まで1時間弱
この辺から通う生徒は少なく、バス内に同じ制服はいなかった。

「兄さん、いつもこのバス1人で乗ってたの?」
「そうよ?俺、えらいでしょ?」
「ただの寂しい人だなって思ってる」

バスが止まった
私たちが降りる2つ前

「サツキひっど。ねえユウト、サツキがいじめる〜」
「ごめん兄ちゃん、俺もそう思ってたわ」

たくさんの人が乗り込んでくる

「2人して俺にひどくない?!お兄ちゃん泣きそう…」

そして…

「あ、ケイト〜!おはよ!」

乗り込んできたのは同じ制服に身を包んだ茶髪の派手めな女の子

「だれ…?」
「俺、苦手なタイプ…。匂いキッツ。」

そう言って口元を塞ぐユウト

「お〜!おはよ!」

爽やか笑顔で返事をする兄さん。

「ちょっと兄さん!あれ…だれ?」
「ん〜?クラスの子!最近めっちゃ話しかけられるんだよな…」
「兄ちゃん、あいつだけは彼女にしないで」

そう言って兄さんに釘を刺したユウト。
よっぽど嫌いだったんだろうな…笑

「しねーよ。俺だって無理!」

そこまで言うか、兄さん笑