長い沈黙の後、彼が急に声を出した。
「そういえば、自己紹介してないですよね!」
確かにそうだ。私は今、名前すら知らない男子と二人っきりでいる。
「佐々木志恩(ささきしおん)中学の3年B組
好きな人は、一ノ宮優璃!」

え?いきなりの自己紹介で
そんなこと言われたって…さっきも言われたけど
それとこれとは、ちょっと違うし。

って!えぇーーー!
後輩?
この学校は中高一貫校だから、中学生がいてもおかしくないけど…

私、この学校は高校からだし、みんな初対面。
中学生が私を知っているなんて。
そんな事思ってもいなかった。

「後輩なの!?」
「そうですよ!」

びっくりした…ほんとに…

「返事は今度で、いいかな?」
「はい!いいお返事待ってます!」