大切な人

「私の志恩くんに近づくな!年上ババア!」

紙にはそう書いてあった。
やっぱり、志恩くんは同級生と付き合った方が良いんじゃないのかな…

―ポタッ

あれ?私、泣いてる?
志恩くん取られたくないって心のどこかで思ってるのかも。
いや、思ってる。
取られたくない。
せっかく見つけた初めての恋なのに…

「優璃どうしたの?泣いてるの?」
理香子が心配して駆け寄ってきてくれた。
そんな理香子に机の上の紙を見せた。

「サイテー。後輩の癖に調子乗りやがって。この紙志恩に見せてくる。優璃が泣いてることも伝えてやる!」

えぇーーー!どうしたの理香子!?
そんな理香子は、オドオドしている私に目もくれず中等部へ走っていった。