僕は 家に帰ると夕食も食べず 暗い部屋の一角にあるベットの上に座た。


コンコンコン



ドアがノックされ


誰かが 僕の部屋に侵入してきた。


勿論 太陽であることはわかった。


『元兄…

今日のデートは 楽しかったか?』


太陽は 部屋の灯りをつけながら言った。


『どうした 元兄…?

腹でも痛いのか?』


顔を覗き込む 空手黒帯の太陽に向かって僕は 襲いかかった。



『うわっ…

どうした 元兄…』

僕は 太陽に馬乗りになると 涙を流しながら 弟を殴った。


太陽は 僕の泣き顔をを見て悟ったのであろう 僕のひ弱な攻撃を甘んじて受けていた。



『すまん…兄貴……』



僕は 殴るのを止めた。

太陽が 元兄じゃなく 兄貴と呼んだからだ。



『俺が 悪かった…』


太陽は 戦闘力を失った僕から逃れると 部屋から出ていった。



僕は

こうして


本当の


失恋を知った。


二次元世界の失恋より

ダメージは大きかった。


それと


同時に


彼女の悲しそうな目と 彼女が発した言葉が 僕の心に大きな傷をつけた………