「雪、朝より激しくなってない?」



「てか沙耶、お前傘は?」



「…持ってない」



「アホか」



「だってこんなに激しくなると思わなかったんだもん〜」




半泣きで頭に積もろうとする雪を両手ではらっていると、突然頭の上を覆った透明のビニール傘に驚く。




「そんな鼻真っ赤にして行ったら、バイト先の人に笑われんぞ」



「…うるさいなあもう」