気がつけば、嫌なあいつが私の初恋でした


メールに留守電。
実希の声が溢れていた。


よかった、実希。

安心したと同時に、先生に謝ってないのって、私だけだと気付いた。


梨花が心配で、梨花の家に行ったにも関わらず、私のことを褒めてくれたって聞いて、なんだか嬉しかった。


もう、梨花との約束を守って、黙っていなくてもいいんだよね?


だったら私、ちゃんと先生に謝りたい!

そう思った瞬間、携帯をつかんだまま駆け出していた。


廊下でお母さんとすれ違う。

「迷惑かけてごめんね」

なんだか素直に言えた。


そのまま玄関へ走っていき、靴を突っかけ外に出る。