気がつけば、嫌なあいつが私の初恋でした


梨花がフられたことは、誰にも言わない約束。

元カレに会いたくないって理由で、学校を休んでるのも内緒。

昨夜『消えたい』ってメールが来てから連絡がとれなくなって、それからずっと心配で、学校にいるときも連絡をとっていた。



……あれ?

電源の入った携帯の画面には、梨花からの着信と何件ものメールが入っていた。


『お母さんのところに先生から電話が来て、さっきうちに先生が来た。携帯のことで、実希が怒られたって聞いた。ごめんね、私のせいだ。だから、先生に全部話した』


『お母さんに携帯没収されてたから、連絡できなくてごめん。先生が来て、すぐに返してもらえたから』


『私が休んでた間、プリントを整理してくれたり、ノートをとってくれてたって先生に聞いたよ。ありがとう。先生、実希のこと褒めてたよ』

『実希は私のことをずっと気にしてくれたのに、私は自分のことばっかりでごめんね』

『明日は学校に行くから、一緒に行こうね』