気がつけば、嫌なあいつが私の初恋でした


私は、ぎこちなく向きを変えると、また思いっきり走りだした。


胸が躍ってる。


私、ずっと認めたくなかっただけで、初めて先生を見たときから好きだったんだ。


振り返って、お兄ちゃんとおんなじ靴を履いた先生を見る。

うずうずしてジャンプしたくなる。


なにこれ、変な感じ。

でも、先生と関わらないようにしていた時より断然楽しい。


私は、野上先生が好き。

何度も繰り返しながら振り返る。


いつか、さっきみたいな大きな声で、今度は好きって言いたいなって思った。