気がつけば、嫌なあいつが私の初恋でした


先生は?


キョロキョロ見渡すと、道路の向かい側を歩く先生の背中が見えた。


いたっ!


信号は赤。
すぐには渡れない。


先生はタクシーを止めようとしているのか、手を挙げている。


待って!


私は、信号を待たずに歩道橋を駆け抜け、先生の背中めがけて思いっきり走った。


タクシーが、スーッと止まるのが見える。


だめだ、このままじゃ、間に合わない!