最後の時間の始まり


どうしようもない、やり切れない思いを抱えたまま、3年目の時間は、あっという間に過ぎていった。


そうしてもうすぐ、4度目の春が、来ようとしている。


私たちは今日、この高校を卒業する。
それぞれに、違う道を歩んでいく。


もう2度と、高校生だった私たちの時は流れない。
同じ日々は、2度と来ない。


もう後悔したくない。


言えなくて、何度悔しい思いをしたことだろう。
結果が分かっているから、どうしても勇気が出せなくて。言っても言わなくても変わらない結果なら、言わないほうが傷付かずに済んで良いんじゃないかなんて。
傷付くことを恐れていた。

だけど。

言わずにずっと引きずるのはもう嫌。

あんなやり切れない思いは、ずっと抱いていたくない。


だから、伝えるの。