最後の時間の始まり


それは、春のこと。

君と出会ってから、2度目の春。

私は、君の胸にある想いを知った。


私が君を見ているのと同じように。
君もあの子を見ていた。

思い違いなんかじゃない。
私は、君をずっと見てたから、気付いたんだよ。

それから私は、自分の気持ちを隠した。
叶わぬ想いだと勝手に決めつけて。

私は、君への想いを胸のずっと奥に追いやった。



それから。
季節はあっという間に巡り巡って。

3度目の春が来た。


3年連続同じクラスになった私たち。
3年目にもなれば、もう親友という感じで。
私はもう、女の子として扱われることもなくなっていった。


他の子より近いその距離は、少し嬉しくて。少し寂しかった。