秋。
体育祭でリレーを走った君に、目を奪われた。
まるで、そこだけ時が止まったみたい。
周りの音が、聞こえなくなっていって。
君の走る姿だけが、ただ強く、脳裏に残っている。
私は、君から目を離せなかった。
誰よりも、輝いて見えた。
文化祭で実行委員だった君は、誰よりも頑張っていて。
一生懸命、仕事をする姿を目で追っていることに気付いたのは、だいぶあとになってからのことだった。
秋。
もう誤魔化せないくらい、君を好きになっていることに気付いた。
冬になり。
定期的に行われていた席替えによって、また隣の席になった私とあなたは。
前以上によく話すようになって。
前よりずっと、仲良くなった。
私は、もっともっと、あなたが好きになった。
どんどん近付く距離に、ドキドキした。
だけどね。
近付けば、近付くほど、君を知って。
君の想いまで、知ってしまった。

