「暴走?
こちらで奴を待ち受ける準備は、整っていたんじゃなかったのか?」

『エスペランは俺達によって現世に召喚された時、新たな計画を思い付いたようです。

現世に出現した瞬間に奴の身体は分裂して霧状となり、空中に散布されました…
これは吸い込んだ生物の脳に作用する、言わば精神毒素…』

「そ…
それって、まさか!?」


ディノウンは一呼吸置いてから言った。

『脳死ウィルス…です。
このままでは世界中の生命が、数時間の内に生ける屍と化すでしょう』


何てこった!

「こちらの最終作戦が裏目に出るとは…くそっ!
何でウィルスを駆逐するためのプログラムが、ウィルスを作り出すんだ!?」