「ここか…」


俺は国道沿いに建造された、とある大企業が運営する工場の前に来ていた。

こんな時間なのに、まだ工場の窓からは明かりがもれている。

夜勤が働いているのだろう。

遅くまで御苦労様。


「さて、取り掛かるか」

正門前。

流石は最新技術を扱う企業だ。

守衛など配備されていない。


代わりに監視カメラと各種センサー類が、こんなに必要無いだろうと思えるぐらいにゴテゴテと据え付けられている。

赤外線、金属探知、指紋照合、サーモセンサーなどなど。

この厳重なエントランスだけで、一体どれくらいの金が掛けられているのだろうか。


「ま、俺には無意味だけどね」