父親だった亭主を若いオンナに寝取られてリコン。


それ以来、「2度と誰も好きにならないっ!」をモットーに生きてきた。



なのにさ………







「はぁぁぁぁっ⁉︎ 小説家ぁぁぁ〜〜〜⁉︎ 」



「うんっ!それになったのっ!」



意気揚々と見せてくれたのは、携帯小説サイトの画面。


『前沢 千花(まえざわ ちか)』という作家が、コンテストの大賞に選ばれていた。



「これ、母さんのこと!」



胸を張る姿は今でも脳裏に刻まれてる。

そして、次に言われた言葉も。



「今日から作家として生きる。もう子育ても家事も母親もやらないっ!」



………冗談か?


その時もお笑いの見過ぎか…と笑った。

でも、その後、母はホントに家を飛び出してって。




『賞金でマンション買った』


『陽希はおばあちゃん家に住んで』


『母は一人暮らしを始めます』




次から次へと驚くべき行動を起こしていった。


そして、その言葉の通り5年近くが経過してる。






「………そんで今がコレかよ」



呆れんなぁ……と独り言。


高校受験も進学も、中学の卒業式も高校の入学式すらもスルーしてきたヤツなのに。



「ふざけんなよ。誰が相手なんてするか」