「バイバイ」 繋いでいた手が離れると 言いようのない寂寥感が僕を襲った。 彼女を奪い去り、 どこか遠くへ行ってしまいたい。 そう思った。 彼女の後ろ姿が離れていく景色を見ながら ただ立ちすくむしかなかった。 彼女を引きとめようとした手が 行き場をなくしていた。