「どうだった?」
帰り道。
彼女はいつもの笑顔で僕に聞いてくる。
「すごかったよ」
心からの言葉だったが上手く笑えない。
「よかった」
少しの間、沈黙が流れた。
「どうかした?元気ないよ?」
僕は最低だ。
彼女の演奏を最後まで聴かなかった挙句、
一緒にいる時間もこんな態度を取るなんて。
「ちょっと疲れたかな」
今度は上手く笑えただろうか。
「そっか。私も疲れたから今日はそのまま帰ろう」
「うん」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…