背中から聴こえてくる音楽は 僕が一番好きな曲だった。 一度だけ振り返り 戻ろうかとためらったが、 教室へ戻ることにした。 ステージ上の彼女が遠ざかっていくような残像が頭から離れなかった。 冷たい水で顔を洗い、 ただ早く時間が過ぎるのを祈った。